
進撃のWコウジ1
戦後の焼け野原、はるばる関西から2人の初老、お笑い芸人が東京に辿り着いた。
「ヒガシノリ、俺ら2人で東京を再建しようや。」
「私、ずっと鍛えてますから。」
2人はとりあえず仏像を彫ろうと提案しあった。
「ビリケンさんや食い倒れ人形、何にしようかのう?ヒガシノリ。」
「もっちゃりしてますねぇ。東京に新世界のノリはいけませんよ。」
「さすがやのぅ、ヒガシノリ!」
とりあえず高さ634mのチャップリンの像が完成した。
「ヒガシノリ!自分、体力あるなぁ!」
「娘達のことを考えたら無限に力が湧いてくるんですよ。」
「ヒガシノリ!いつまでも仏像だけ彫ってても東京を復興させられんで!」
「今田さん、今田さんって鑑定団とか出てるし向いてると思うんですよ。」
「何にや?」
「東京の風土の資料を漁って、土地開発にふさわしい目利きができると思うんですよ。」
「できるかい!」
2人はとりあえず関西に帰った。
「いい仕事できたのぅ!ヒガシノリ!」
「僕思うんですけどね、戦争は終わったけど、今後2度と戦争が起きないという訳でもないでしょ?」
「せやなぁ、人間は愚かやで。」
Wコウジは花月の楽屋でそのニュースを知った。
「第4次世界大戦勃発!?」
今田は吼えた。
「ワシらの作ったチャップリンが燃えてまう!あかんかった!表面を金属でコーティングしとくべきやったんや!」
「今田さん、そのボケ、めちゃめちゃ面白いんですけど、ごめんなさい、笑える状況ちゃいますよ。」
「今からでも東京に行こうや!ヒガシノリ!」
「いけません。今から花月の出番です。」
「そんな場合ちゃうやろ!ヒガシノリ!」
「今田さん?我々は芸人なんですよ?自分の持ち場につきましょう。」
「そう言われてみるとその通りやな。」
2人は舞台をそつなくこなした。
「まぁまぁの手ごやえやったのぅ!ヒガシノリ!」
「今田さん、僕、花月が戦争で燃えたら多分立ち直れないくらい落ち込むと思います。」
「ヒガシノリはお笑い好きやからなぁ。」
「今田さんには負けますよ。」
「この度、卒業される皆さん、私が、校長の今田耕司です。あちらが、教頭の東野幸治先生です。戦争も終わり、これからは思う存分お笑い芸人を目指しましょう。」
その瞬間、NSC校舎を空襲が襲った。
「ヒガシノリ!第5次世界大戦や!」
「今田さん、テンドンは2回までですよ。」