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電子の絆(小説)16


絶頂からの転落


黒づくめの男は3人に向けていきなり銃を放った。ケンとアンリはその一撃で戦闘不能になったがリサは違った。肩に銃創を負いながらも男を捕縛した。

「どういうことだ。」

「ボスが、死んだ。」

「で?なんでそれであんたがアタシらを撃つんだい?2人を病院連れてくんだから手短にな。」

「リサといったか、お前への抜群の知名度で日本の株価が徐々に回復しつつある。今お前が死ねば莫大な富が入る予定だった。」

一応アタシも殺人鬼じゃない。アンタは両手両足縛って警察よぶ。」

「アンリ!ケン!大丈夫か!?」

二人は意識を失っている。リサは応急手当をし、タクシーを呼び緊急病棟へ行った。

「アンリのやつ…こんな可能性は考えてなかったのか?国を亡ぼす?莫大な金を動かす?所詮命のやり取りのしたことのない頭でっかちの発想だ。」

「お...お姉ちゃん...」

「アンリ!喋るな!もうすぐ病院んだ!」

「アタシは死なないわ。ケンと二人でお姉ちゃんのTシャツ売った金が数千万ある。闇医者でもなんでも確実に治して。」

「わかった。」

タクシーの運転手は緊張からか一言も話さなかった。

3か月後、アンリは腎臓を失ったが命に別状はなかった。

「ほらぁ、腎臓って2つあるしぃ。」

ケンは肺を撃ち抜かれ未だに緊急病棟にいる。

「アンタの恋人、なかなか治らないね。」

「あいつは両親もいない状態から奨学金制度を利用して東大生になったほどの男だよ?これくらいで死ぬ玉じゃないって。」

軽口を叩くアンリの目には涙が光っていた。リサはそっと抱きしめた。

「奴らの組織はまた私たちを狙うはずだ。そうなる前に奴らの組織を潰す。」

「どうやって?」

「お父さんの子供、つまり私たちの兄弟と手を組む。」

「お姉ちゃん…」

「あんたとアタシ、2人組んでこの成功だ。全員揃ったらとんでもないことになるぞ。」


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