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電子の絆(小説)19


外人部隊帰りの兄


元外人部隊の男が言った。

「俺がお前らの兄弟のタクトだ。」

アンリが言う。

「タクトさん。リサお姉ちゃんとどっちが強いの?」

タクトが鼻で笑う。

「ボクシング、レスリング、総合格闘技、どれも対個人戦での戦いだ。俺は飢餓の状態で歩き続ける訓練や、あらゆる拷問に耐える訓練なども積んでいる。人一人なんて銃があれば一瞬だ。」

「カチンとくるねえ。」

リサが言う。

「目潰し噛みつき金的無しでスパーやろうよ。」

「フッ・・・」

タクトが恥ずかしそうに言った。

「生まれて初めての肉親との邂逅なんだ。そんな野暮なことはよそう。」

「マチコお姉ちゃん、爆弾作りのプロは?」

アンリが聞く。

「家宅捜索受けて聴取受けてる。多分実刑だな。」

「ぎゃははははは!」

3人は大声で笑った。

「格闘技ジムを開きましょう。」

アンリが提案した。

「会員を増やしていってゆくゆくは洗脳してアタシ達の私設軍隊になってもらうのよ。」

タクトが言った。

「おい、リサ、マチコ、アンリは頭がおかしいのか?」

マチコは言う。

「ただのドキュンよ。」

リサは言う。

「タクトお兄ちゃんは上官に逆らったりしないでしょう?アンリはアタシ達の上官って訳よ。」

その夜はみんなでお酒を飲みながらタクトの逆立ち腕立て伏せを見て盛り上がった。


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